2007.08.13

 今年のツバメシーズンは訳あってデジタルカメラではなくハイビジョンビデオを使い、飛び姿を撮影をしています。写真とは違いムービーは連続した映像です。ハイスピードムービーは一秒間に240駒もの静止画が撮影でき、ツバメが飛んでいる虫を食べる瞬間も撮影できます。さまざまな捕食スタイルがあることもわかりますし、飛びながら何をしているかもわかってしまいます。大きな虫を食べ損ない悔しがって地団駄を踏んでいる様子も写ってしまいます。もっともツバメの場合は飛んでいるので足ではなく体全体で悔しがります。虫を追うのに夢中になり2羽が衝突することもあります。ぶつかられたツバメは本気で怒って「チュピピッ」と甲高い声で鳴き相手を追いかけ回したりします。小さな虫を見つけられるほど目が良いはずなのに不思議ですね。捕食モードにはいると頭のスイッチが切り替わるのでしょうか?

 管理人のビデオ映像が第1弾として来たる9月2日のNHK総合の日曜日夜7時30分から放送の「ダーウィンが来た!」で放映されます。今回はツバメではなくミツバチが主人公です。ほんの数秒の絵ですがツバメがミツバチを食べるところが放送されますので、興味がある方は御覧になって下さい。

 今年のツバメシーズンの撮影では色々な人たちがツバメに係わりました。ツバメと初めて接し、好きになった人もいました。そんなたくさんの人を通して感じたのは「人は何かが好きになると、好きになったものを大切にする」ということです。ツバメが好きになり親ツバメと子育てを一緒に体験した人は、巣立っていったチビツバメたちをまるで家族のように愛おしく思い、また来年も来て欲しいと感じているようでした。さらに、ツバメを通して鳥たちに興味を持ち、鳥も大切にしようという気持ちも生まれてくるようです。
 野生動物や自然を大切にしたいと思うのなら、たくさんの人に野生動物や自然に興味を持ってもらい、好きになってもらうのが一番の近道ではないかと思うのです。

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