2007.08.04

 夏の間ショートゴルフコースになるスキー場があります。
そのスキー場の上に森があり、そこを住み処としているカエルがいます。しかし、森の中には産卵する場所がなく、スキー場の下にある小さな池まで斜面を下って産卵をするのです。7〜8月にオタマジャクシからカエルになった親指の爪に乗ってしまうほどの小さな赤ちゃんカエルはスキー場の斜面を上り、何週間もかけて森に帰るのだそうです。
ところが、夏の間はゴルフ場になるので絶えず人が通ります。ヘビも鳥もたくさんいます。たまには不謹慎なカメラマンにモデルにされることもあります。そんな危険な旅をして無事森にたどり着くには数パーセントだそうです。

 自宅からジョギングで10分ほどの河原にツバメの塒があります。昨年は10羽ほどの小さな塒でしたが、今年は300羽ほどになっています。今年生まれのチビツバメたちも、あと1〜2週間もすると遙か東南アジアまで旅立ちます。
彼らの旅もとても危険に満ちあふれています。そんな命がけの旅を終え無事にたどり着けるのはどのくらいなのでしょうか。

 ここ数年は飛来するツバメの数が減ってきているようです。昨年の古巣に戻ってきていないツバメもたくさんいました。また、巣立ちする時期も遅くなってきているようです。それを裏付けるように保全センターに保護されてくるツバメのヒナの保護時期もまた後ろにずれて来ています。はるか東南アジアまで行って、また気の遠くなるような距離を飛んで私たちの街に戻ってくるツバメたちが安全に子育てが出来るような環境を提供できたら、素晴らしいことだと思います。

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