2006.06.07

鳥の魅力は「空を飛ぶ生き物」ということに尽きると思います。また、あんな小さな鳥が何千キロもの距離を一年で往復するという「渡り」にも驚愕します。

管理人が初めて買った鳥の本はイギリスの鳥学者デイビット・ラックが書いた「鳥学の世界へようこそ」という本でした。
その本は鳥の渡りとかイギリスの鳥学者などについて書かれています。
特に面白いと思った物はレーダーによる渡りの調査でした。鳥の渡りは夜間に行われることが多く眼視による観測は難しく、地鳴きを聞き分けられるベテランバーダーが飛んでいる鳥を同定するなんていう事も行われているそうで、イギリスでは1958年から実施されています。
山階鳥類研究所発行の調査マニュアルにもレーダーによる観察の有効性が書かれています。

去年、無謀にも自衛隊へ足を運びレダーの担当官とお話しをさせて頂いたことがありました。レダーによる渡り鳥の観察の話をしたところ、「鳥がレーダーに映るなんて考えられない」とびっくりした顔をされました。そこで「鳥学の世界へようこそ」を持参していたのでお見せしところ、なるほどと納得してくれました。レーダーによってはフィルターがかけられていてエンジェルエコーなどのノイズを排除するようになっているらしく、フィルターが無い機種であれば観察可能という話でした。では、観察に協力をすることは可能ですかと聞いたところ当然ながら「それは無理です」とあっさり言われてしまいました。

従来、渡り鳥の飛来ルートについての研究は標識調査が主な調査方法でした。しかし、鳥インフルエンザ問題が心配される昨今、結果が出にくい標識調査より、もっと早急な結果が得られる調査方法が望まれていました。NPO法人バードリサーチ(http://www.bird-research.jp/1_gaiyo/index.html)のサイトでレーダーによる渡りの調査が実施されるという記事を読んで、やっと日本でも現代的?な調査が出来るようになったかと嬉しくなりました。はたして海外のように眼視観測や標識調査と併用して精度の高い観測が出来るようになるのでしょうか。

さて、話を「鳥学の世界へようこそ」へ戻します。管理人はこの本の営業担当ではありませんが、いくつか読んだ鳥の本の中でも群を抜いて素晴らしくお薦めの一冊です。ヨーロッパアマツバメの事や謎の鳥ハーディーアマツバメなどの記事も興味深くツバメファンなら必読です。また、同じくデイビット・ラックの「ロビンの生活」という本も読んでおいて損はないと思います。

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