2006.05.24

標本と記録更新の危うさ

先日ある新聞の夕刊に「巨大ヒトデ」の記事が載っていました。
その記事によると1メートル?もあるヒトデを発見&撮影したそうです。
標本を採取できたのは1メートルのものではなく、60センチメートルのヒトデで新種の可能性が高いとのことです。しかし、その1メートルの巨大ヒトデを採取できなければ日本最大ヒトデの記録更新とはならないみたいです。
記録更新のため、今後調査をして巨大ヒトデを捕まえてしまうのでしょうか?
生物のエキスパートでない管理人は、少し心配をしてしまいます。

そんなに大きくなる新種?ヒトデの生息数は多くないかも知れません。ひょっとして発見されたヒトデが最後の生き残りである可能性もあります。新種と言うからにはその生態は全くわかっていないわけです。無機物の発見での標本採取では種の絶滅を心配する必要はありませんが、生物の場合は慎重にしないと種の絶滅を知らず知らずの内に早めるか、最悪の場合、種の絶滅に荷担してしまうかも知れません。

未知のものが発見されるのは大変貴重なことだとは思います。しかし、地球上で新種の発見&記録更新を喜ぶのは「ヒト」意外には存在しません。発見されない方が幸せだった場合もあるでしょう。博物学の発展と生き物の命のどちらが大切か?などという疑問が浮かんでは消えていくのでした。

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