2007.03.15

ニコンVSキャノン&コダック

先月のフジF31fdに続き必要に迫られキャノン5Dを導入しました。これで宿命のライバル?5DvsD2Xが実現しました。早速テストをしてみたところ・・・

比較写真に使ったシュチュエーションはデジカメで撮影するときに一番イヤな光物と黒物が混在する設定にしました。露出は商品のRGBのデータが飛ばないようにしてあります、両方共にCMOSサイズが小さいのでレンズの回析現象をもろに受け、なかなかシャープな画像を得ることができません。比較で使っているレンズは両方とも4X5用AM ED120mmで、絞りはD2XがF8、5DがF11です。D2XではF8が一番シャープで5DはF11まで使うことができます。それ以上の絞りを使っても全体に像が甘くなるだけでどこにもピントが合っていない画像になります。これはフィルムでも同じですが容易に拡大表示できるデジカメデータの場合はとてもシビアになります。

●比較写真1は黄色のフェイスブラシのゴールド部分のRGBデータが飛ばないような露出にしてあります。分かり易いようにフォトショップ・プラグインで表示してあります。ニコンには一部黒つぶれが見られます

●比較写真2はだいたい同じトーンになるようにフォトショップで明るくしてあるので少し眠いトーンになっています。compoとなっているものはD2Xを使い3段階の露出で撮影したデータを加算合成してあります。現像はニコンキャプチャーです。

●比較写真3はゴールドの部分のRを飛ばしてGとBが飛ぶ手前の露出で撮影しトーンはいじっていません。それに合わせコンパクトの中のスポットライトと手前のトップライトを強くして全体のバランスをとってあり、通常のライティングバランスです。現像はキャノンDPPとニコンキャプチャーを使用しています。キャノンのデータはニコンよりもコントラストが高く写っているのが確認できます。

●比較写真4はグラス後ろの白バックが飛ばないような露出にしてあります。左側はフォトショップ・プラグインで右側はキャノンDPPとニコンキャプチャーでおのおのグラス後ろが飛ばないように現像をしてあります。レンズはハッセルプラナー80mmを使っています。

ハイライトの描写に関してニコンは白飛びをし易いというとこになっていますが、ハイライトに露出をあわせて撮影する場合ではハイエストハイライトの中のトーン描写では意外にもニコンの方が優れています。キャノンは押さえた感じの描写になり、明るさ240〜250位の部分をわざと10位落として演算しているようです。このため見た目のハイライト描写が優れていると錯覚するのでしょう。ライティングの明るさの傾斜はニコンの描写が正解で露出計通りの出かたでフィルムに近いようです。しかし、ロケなど実際の撮影ではハイライトをライティングでコントロールするのは難しいのでキャノンの出方は歓迎されると思います。特に逆光のモデル撮影での顔の白トビなどでは良いと思います。

シャドーではニコンの方が足が伸びていてディテールも出ていますが、明るさ1〜8位の部分は急に落ち込み黒潰れが見られ若干キャノンに歩があります。

絶対的なダイナミックレンジはコダック>キャノン>ニコンという結果になりました。トーンをまとめるという意味でデータのハンドリングはニコンの方が扱いやすいと思います。

ノイズに関しては、やはり圧倒的にキャノン5Dのノイズが少ないのは明白です。ただしこれはキャノンDPPソフトで現像をした場合で、フォトショップ・プラグインで処理すればごく標準的なノイズが乗ってくれて写真が平坦にならずにすみます。これは好みですが・・・ノイズに関してはDPPソフトでのノイズレス画像はどうものっぺりとして不自然で好きになれません。

また5D+DPPと同等のノイズレス画像をニコンで作るとしたら、3枚の画像をコンポジットする必要があります。コンポジットはノイズもさることながら、ダイナミックレンジを広げる効果がありますので、何百万もするデジカメを凌駕する広いトーンを簡単に得ることができます。

シャープネスは5Dの勝ちでCMOSサイズの大きさがものをいっています。DPPソフトで現像をすると変なノイズリダクションをかけてしまうのでフォトショップ・プラグインで現像をした方が良い結果を得られるようです。また、ハイライト&シャドーを重視した現像をするのならDPPではなくフォトショップ・プラグインでの現像をお奨めします。DPPは急ぎの時には便利でそこそこのデータを作ってくれるので重宝します。

ところでコダック14nXはネガフィルム並みにダイナミックレンジが広いのですが色むらがひどく色の偏りも見られ、やはり一昔前のデジカメのようです。660、760並のクオリティーで開発をしていたら素晴らしいカメラになっていたと思うと残念です。

肝心の中間調はどれも同じであくまで好みの範疇になります。

決定的な違いはキャノン5Dのグレーバランス精度が良い事でポイントはかなり高いです。

さて、この3機種で最良の結果を出すとなるとキャノン5D&フォトショップ・プラグインで現像&コンポジット合成という選択になると思います。

今回テストをしてみてニコンとキャノンの写真に対する姿勢の違い感じることが出来たような気がします。ニコンはあくまでフィルムライクに、キャノンはデジタル指向というところでしょう。やはり仕事で楽をしたいのならキャノンが一番だと思います。

しかし、鳥の撮影はボディーの操作性などニコンの方が格段に面白いと思うのは管理人だけでしょうか・・・。

ちなみにリーフなどのハイエンドデジカメとこの3機種と何が違うかというと200%で拡大表示したときの誇張のないシャープさと階調の豊かさ、グレーバランスの精度、色ムラ明るさのムラのなさが一回のシャッターで得られる事です。これは厳選されたCCDを使っていることを物語っています。

各画像をクリックすると大きな写真を見られます
比較写真1
比較写真2
比較写真3
比較写真4
ハイライト部分比較
中間調比較
ノイズ比較
シャープネス比較
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