2005.06.11

 夕方、チビツバメを観察するためにいつもの河原へ出かけました。小雨が降る中、おチビさん達は元気に飛び回っていました。

 こういう日は小さな羽虫が蚊柱みたいに木の回りに集まるので、ツバメもそれを狙って集まってきます。チビツバメ達はヒメアマツバメみたいに羽をバタバタさせてぎこちなく飛んでいますが、それでも虫たちの柱に飛び込んでは、なんとか捕食しているみたいです。

nikon D2X AF-S VR300 f2.8  TC14E II ISO800 JPG

 飛び疲れると休憩して、親鳥やお兄ちゃん達におねだりをします。

 雨脚が強くなってきたので、帰宅することにしました。通勤路のどこにツバメの巣があるのか、だいたい調べていますのでチェックしながら車を走らせていました。前方にツバメが2羽いつもと違う飛び方をしているのが見えました。「なんだろう?」と思いながら走っていると道路の真ん中に何らや黒っぽいものが落ちているのが見えました。????徐行しながらよく見ると巣立ったばかりのツバメの雛がうずくまっていたのです。ここは、道路際のマンションの外階段に巣を作っている所で、そこの雛が誤って道路に落ちてしまったのでしょう。

 夕方で交通量が多いところなので路上で車を止めるわけにもいかず、少し行き過ぎて路肩に車を止めると両手を振りながら雛がいるところへ走っていきました。走りながら、車を運転している人が気が付いてよけてくれることを祈りました。一台、気が付いてよけてくれた、そして一台よけてくれた、あと3メートル。ムクドリがはねられた光景が頭をよぎりました。「止まって下さい!」と叫びながら、そのまま道路の真ん中へ飛び出すと軽自動車の人がびっくりしてブレーキを踏んでくれました。よかった、間に合った。うずくまっている雛にそっと手を差し出すと、ちょこんと飛び乗ってきました。まるで手乗りインコみたいに・・・「えっ・・・なんて軽いんだろう!」セキセイインコの雛よりも軽く感じられました。親ツバメは心配そうに上を飛び回っています。周りの車の人たちもそこで起こっていることに気が付いてくれて笑顔で見てくれたようでした。特に外傷などもなく元気そうだったので、安全なところに雛を下ろしました。「よかったね」。その間10秒もなかったと思いますが、とても長く感じました。 

 冷静に考えると自分が車に跳ねられたかもと思うと膝が震えてきます。雛に気が付いた時点で車を止めて、安全を確保するべきだったと反省しました。

 まっ、いいか。何事もなく済んだのだから。現場から自宅まで車で5分ほど。自宅のある丘を登っていくと目の前に大きな虹が架かっていました。それも2重でくっきりと、端から端までつながっていました。こんな綺麗なものはハワイで見た虹以来です。車を止めてコンパクトカメラで写真を撮っていると、その大きな虹の中を1羽のツバメが飛んでいるのが見えました。ひょっとして、この虹はさっきのツバメさんからのプレゼント??。

 今日のこの出来事は一生忘れることなく管理人の記憶に刻まれました。

 嘘のようで、本当にあった出来事でした。

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