2009.10.03

懐中電灯談義   その3

撮影に使えそうなLEDライトを2つ追加して、スタジオで色のテストをしてみました。

新しく増えたのは MTE SF-22 SSC P7-DとEagleTac M2SC4 CREE MC-E の2本。

MTE SF-22はライト光の広がりがきれいで中国製にもかかわらず意外とちゃんと作ってあります。とはいうもののテストの間も本体の中のバネが縮んだままになってしまい、無理矢理伸ばして修理なんて事もあり、色々問題はあるようです。

EagleTagはアメリカ製できわめて実用的で中国製に比べハイクオリティーな作りです。

他は Wolf-Eyes MC-E E2 Cree MC-E D37 Neutral White /LED LENSER T-7 Cree XP-E/LED LENSER P14 Cree XP-Eの3本です。

比較写真の機種表示はメーカー名 LED名の順に略して記載してあります。なお電池はすべてフル充電して2分ほど最大照度で発光させてから撮影をしています。

カメラはニコンD3Xです。

スタジオ用の大型ストロボも含め各ライトをテスト。ホワイトバランスをDaylightにして露出計の出た目で撮影をしていますので、それぞれ色が違っているのがわかります。

左の黒い機械は色温度計と言って光の色を計るものです。

ライトの光をディフューザーにあてて拡散させていますので露出計の数字を読めばライト自体の明るさがだいたいわかります。

これは、カメラ側で18%標準グレーにてホワイトバランスとり撮影をしています。

当然ながらだいたいの色はそろって写りますが、カラーチャートの色を見るとLEDの種類によって微妙な色の偏りがあるのがわかります。

色々調べてみると・・・これは今の白色ELDは青色LEDチップに黄色蛍光体を組み合わせているため青色LEDチップの発光波長である470nm前後と、黄色蛍光体が放つ光の波長である570nm前後のスペクトルにピークがあり、緑色と赤色の領域のスペ クトル強度が低いために起こり、赤色と緑色の色再現が悪くなってしまうようです。

演色性を表す指標である「演色評価数」を見てみてもRa75程度ですので撮影用ストロボに比べ色の再現性はあまりよくありません。

次はカメラ側のホワイトバランスと露出を一定にして(1/2sec f14)撮影をしてライトの中心部の明るさを見てみます。ライトはだいたい7メートルほど離しています。

明るい順に並べてみました。

上の数字は色温度計の表示と露出計の表示を書いてあります。

これは絶対的な明るさではなく中心部の明るさですので注意してください。

一番下にLED LENSER M-1を加えました。明るいけど青さが半端じゃないです。明るさを稼ぐため犠牲にしているものが大きいですね。

同じCREE MC-Eを使っていても使う電池の数が多いEagleTac M2SC4は2倍以上の明るさがありました。

LEDのランクが低いのにもかかわらずLEDLENSER P14 Cree XP-Eが健闘しています。フィールドテストの結果通りですね。

MTEのSSC P7は時間とともに少しずつ明るさが落ちていくようです。この辺も中華クオリティーです。他のライトは結構安定していました。

とは言うものの、せっかくのELDライトなので簡単実用化を目指しテストを続けます。

値段が安く&ライトの広がりがきれい&お手軽なMTEのSSC P7をテストしてみます。

これはライトの前にフロスト加工してある半透明のゴミ袋をディフューザーとしてくっつけて使っています。LEDライトのそのままの光には黄色蛍光体による黄色い帯があり、それを和らげるためにつけています。それにゼラチンの10M(マゼンタ)というフィルターをつけて撮影すると、何となく使えそうな色になります。

EagleTag M2SC4も同じ傾向なので5M位をつければよさそうです。十分な明るさがありますのでツバメねぐら用ライトの最有力候補となりました。