2009.02.10

独り言・・・4


「美しいノイズ」と「汚いノイズ」。
まだ普及型デジタルカメラが出始めた頃、600万画素に満たないニコンD1Xで撮影したB全ポスターのあまりの素晴らしさに感動した記憶があります。決してシャープなわけでもなく、ただただ写真が持っている空気感が良かったのだと思います。その空気感を作り出しているのは「美しいノイズ」であると思いました。それを裏付けるように制作者がノイズを作り出すのに相当苦労をしたと聞いています。









最新のオーバー2000万画素データをプリントするとトーンが平坦な所が妙にノイズレスで味気ないプリントになりがちですが、巷では「ノイズはない方が良い」というらしいです。もちろん機械としてノイズはない方が良いに決まっていますが、写真を鑑賞するのは人間です。自分はスティーグリッツやブレッソンを見て育った古い人間ですので、人が写真を見て感じる質感というものはノイズそのものであると考えています。ですから、ノイズレスであまりにもきれい過ぎる写真は逆に嘘っぽく見えてしまいます。しかし一言に「ノイズ」といっても汚いノイズもあれば、美しいノイズもあります。残念なことに往々にしてデジタルカメラが作るノイズは「汚いノイズ」になってしまうようです。
つまりいかに美しいノイズを作り出せるか・・・これがデジタル写真をプリントするときの肝になっているのだと思うのですが、自分はまだまだ勉強不足で思うようなプリントが出来ません。





続く・・・

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