2008.12.13

 草むらのハンター

ツバメたちが去って気がつくともう冬の気配です。鳥たちの撮影にも行けぬまま季節が変わってしまいました。

今日は珍しく仕事が早く終わったので近くの河原まで散歩に行きました。

運良く土手際にアオサギが佇んでいたの、でしばらくつきあってみることにしました。アオサギはカワウ同様ここ多摩川でも増えている鳥類の一つですので珍しくもありません。つきあってみようと思ったのは河原ではなく草むらで用心深く、なにやら獲物をねらっている様子だったからです。

野生動物救護なんて事をするようになってから、野生の鳥たちが何を食べているかチャンスがあれば観察をするようになっています。最近聞いたおもしろい話ではメジロが庭のエサ台で何を食べるか実験をしていた人が、数あるおいしそうな餌を差し置いて炊いたご飯粒を真っ先につついたのでびっくりしたということです。メジロがご飯粒を食べるなんて思ってもみませんでしたが、彼らにはそれなりの事情があって食べたのでしょうから大変興味深い観察結果です。

このように世間の常識とは違う物を食べることも考えられますので、観察は面白いです・・・ところが肝心のアオサギはやる気モードからいきなり昼寝モードへ突入。近くをジョギングの人が通ろうが自転車の人が通ろうがおかまいなし。ハシビロコウよろしく一時間近く固まっていました。(今までハシビロコウはアオサギと同じコウノトリ目に分類されていたのが、最近DNA鑑定でペリカン目に近いことがわかってきたそうです)やっと昼寝からやる気モードへチェンジしてくれ、草むらの中をゆっくりと歩き始めました。

十分に時間をかけ(10分くらい)サギ独特の抜き足差し足をして目にもとまらぬ早業で首をビュンと伸ばし何かを捕まえています。獲物が多いところでは続けざまに捕まえます。まるで草むらのハンターです。

肝心の食べ物は・・・双眼鏡で見ていても何を食べているのかわかりません。

しょうがないのでデジカメで捕食の瞬間を何枚か撮影してみると・・・「バッタ」「コオロギ」「カマキリ」などの昆虫類でした。図鑑などに書いてある通りに蛇やトカゲなどの爬虫類なども捕まえるのでしょうが今日は観察できませんでした。それにしてもアオサギの体を維持するのにはどのくらいの「バッタ」を食べなければいけなのでしょうか?とても効率が悪いと思いますが、確実にかつ手軽に食べ物にありつけるので昆虫類を補食しているのでしょう。

知っている人にとっては別段面白くもないのでしょうが、新しい事を観察できるというのは結構面白いものです。

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