2006.11.04
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心配していた天気も好天に恵まれ、無事にバードフェスティバルを終えることが出来ました。 うれしいことに初出展のJBFで「野生動物救護の会 かながわ」はオオバン賞に選ばれました。 日本では野生動物救護という活動はまだ一般の方の知名度は低く、そんな活動に光を当ててくれた事の意義は大きいと思います。 今回、2年前民家にぶつかり左翼骨折で野生復帰が難しい「ノスリ」を会場に連れて行きました。25メートル位は飛べますが、とても獲物を捕まえられるレベルではなく野生に戻すことは、死を意味します。将来的に放野出来る見込みはとても少なく、一生人間と一緒に暮らしていく可能性が高いノスリです。 足にひもを着けられ、見せ物にされているノスリが可哀相という言葉も寄せられました。 しかし、考えて欲しいことがあります。 現実問題として、怪我をして運び込まれる動物たちは毎年確実に発生し、野生に戻すことが出来ない動物たちもまた確実に出てきます。そのような2次収容個体(この分野ではこのような表現になります)をどのような基準を持って対処するかについて、日本では十分な議論が出来ていない状態です。 野生復帰が出来ない野鳥(野生動物)に待っている運命は「自然に還る(自然死)」「安楽死」「里親に引き取られる」「動物園で飼育される」「救護施設で飼育される」という選択肢しかありません。 では、鷹類にとって狭いケージだけで飼育されることが幸せなことなのでしょうか?たまには外の世界に出ることは大切な事ではないのでしょうか。人間と一緒に暮らしていくのには、ある程度人慣れも必要でしょう。また、そうした環境に慣れると言うことは長い目で見れば、救護された鷹類にとっても保護をしている人間にとっても良い関係を築く事が出来る近道だと思います。 単に見せ物にされている「ノスリ」が可哀相という見方だけでなく、将来的に人間と鷹類(野生動物)が共存出来る自然や環境の保全という事も視野に入れて考えていただけたら嬉しいと思います。 参考までに「野生動物救護の会 かながわ」では鷹匠の技術をマスターしたトレーナー(ボランティア)が飼育、飛行訓練をしていて、今までに数多くの猛禽の放野をしています。今回のJBFにおいてもトレーナーと獣医師がノスリの体調を観察しながら無理のない範囲で展示をしています。 野生動物救護の先進国であるアメリカ・ミネソタ大学猛禽センターで行われている猛禽の飛行トレーニングや展示も日本の鷹匠の技術を応用して行われています。 |
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