2005.08.27

 公私ともに多忙な日々が続いていて、鳥さんの写真を撮ることが出来ずにいます。通勤中にスズメ、ツバメ、カラスさん達を眺めてあれこれ考え事をしています。

 管理人はものをあれこれ考えることが苦手です。そんなワタクシがこの頃いろんな事を考えるようになってしまいました。錆びついた頭では、たいそうなことは考えられず物事が断片的に浮かんでは消えていく程度です。

 最近考えているのは、野鳥を使った環境教育・・・標識調査と環境教育についてです。

 野鳥を使った環境教育とは、野鳥の会などが標識調査のバンダーの方と協力して一般の人、子供達に霞網で捕獲した野鳥を見て触ってもらうものです。「これがOOXXという鳥です。かわいいでしょう? こういう風に持って下さい。」などという事が行われています。

 一見良いことのように思えてしまう・・・これが盲点なのです。本当に良いことなのでしょうか。

 手乗りのインコなら話は別ですが、相手は今まで空を飛んでいた野鳥と言うことを忘れていませんか。問題点は次の3つです。

1    霞網を使って鳥を捕獲する時の説明。

 鳥類の調査は必要不可欠で環境省から許可をもらった人だけが捕獲を出来る旨の説明をします。しかし、それによって鳥に与える影響と言うことにあまり触れないのは片手落ちというものです。故意にそういったことに触れずにいるのでは?という誤解が生じても仕方がありません。調査の正当性のみを強調するのは、誤った知識を植え込むことになります。

2     鳥に与える屈辱。

 今まで飛んでいた鳥が霞網に捕まり、不自然な姿勢でぶら下がり、縛り付けられた野鳥の姿を見せる事のメリットが管理人には全く見いだせません。管理人は、自由に大空を飛ぶ鳥にこそ野鳥の美しさがあると思います。その自由を奪っている現場を見ている人が何も感じないと思っているのでしょうか。野鳥が美しいのは何故か?それは過酷な環境の中を小さな体一つで生きているいう逞しさ故なのではないでしょうか。自由を奪われた野鳥は自然の中にいるときに見せる美しさの半分は失っているのです。

環境教育を企画した人に問いたい、霞網に捉えられた野鳥はその優美さを失い、単なる「獲物」と化しているのが分からないほど鈍感なのですか、と。

3    鳥に与えるストレス。

 野に暮らしている鳥たちは常に外敵の脅威に怯えています。野鳥を観察したり、写真を撮ったりしている人なら誰でも分かりますよね。鳥を発見してフィールドスコープ、望遠レンズを向けたとたんに飛んでいってしまった経験をした人は多いと思います。それほどまでに警戒している鳥を網で捕まえれば、鳥にどんな強いストレスが加わるかは容易に想像が出来ます。

捕獲された鳥は恐怖と怒りで一杯になっています。美しい外見によって惑わされがちですが、冷静になって鳥を観察して下さい。その恐怖と怒りに満ちた目を発見できれば、鳥が受けているストレスも分かるはずです。そういった状態の野鳥を子供達に見せる事が本当によいことなのでしょうか?もし、見せるのであればこのような説明をしなければ本当の教育にはならないと思います。

現時点で、管理人は教育の現場に標識調査を取り入れるのは以上の理由で反対です。

カワセミ日記」の中島さんのサイトでもこの問題取り上げていますので、是非ご訪問して下さい。

nikon D2X AF-S VR300 f2.8  TC14E II ISO100 RAW

 

標識調査に関して写真家の和田剛一氏が取り組まれております。ご興味のある方・・野鳥に興味がある方は訪れてみて下さい。

このページを読んで標識調査に関心を持った方、直リンクで結構ですので是非お友達に紹介をして下さい。鳥たちの明るい未来のため、少しでも多くの方に標識調査に興味を持ってほしいと思います。

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