2005.08.14
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今日、ツバメ達が巣をかけた場所で飛んでいるのを2箇所で見ることが出来ました。家族そろって自分たちの家の場所を確認しにやってきていたのでしょうか。南への渡りの時期が近づいているようです。
ねぐら観察の時、標識調査(バンディング)を見ることができたのですが、個人的に疑問に思ったことがあったので少し書いてみようと思います。 鳥を観察していていつも疑問に思うことは、どこから来てどこへ行くのか?です。ツバメは遠くフィリピンとかマレーシアから渡ってくるといわれています。東京に来ているツバメたちが本当に東南アジアへいくのだろうか?手っ取り早く調べるにはツバメに何らかの印をつけておけばよいわけです。それを実践して調査をしているのが主に山階鳥類研究所や野鳥の会です。 では、足輪をはめた鳥たちをどうやってもう一度確認するのか?これはかねてから思っていた疑問でした。調査に来ていた方に聞いたところ、「落鳥した鳥を調べるか再捕獲した際に調べるしか方法はない」とのこと。ここで頭の中に???がいくつも浮かびました。再調査できる確率は相当低いに違いありません。案の定ほとんど実績は上がっていないようです。 鳥の渡りとか分布等を調べることは鳥の生態を理解する上で必要だと思います。しかし現在の方法は極めて非効率的です。何故そのような非効率的なことをするのでしょうか?理解に苦しみます。 足輪を嵌めることについていろいろな意見があるようですが、管理人は現状の調査形態には反対です。足輪を嵌めることによる鳥への影響の方が調査の成果より明らかに大きく思えるのです。霞網に引っかかり袋に入れられ足輪を嵌められるツバメたちは、この世の終わりだと思ったことでしょう。 とても苦しい思いをさせた結果何も得られないなんて、どう考えても理不尽です。特にねぐらにやってくる半数以上は巣立って間もないツバメ達です。これから命を賭けて何千キロもの初めての渡りをしなければならない大切な時期に、アルミの足輪を嵌められたツバメの気持ちを思うと、悲しい気持ちになります。調査が終わって放されたツバメはとりあえず元気よく羽ばたいて、ねぐらへ帰っていきましたが、次の日にどうなったかは知るよしもありません。 渡りを控えた幼いツバメにつけるアルミ製足環の重さは0.?グラム。非常に軽いということです。人間にとって軽いかもしれませんが、これから何千キロの飛行をしなければならないツバメにとって本当に軽いのでしょうか。是非ツバメに聞きたいところです。もっと軽い素材の物、たとえばプラスチックなどに換えられないのでしょうか。軽ければ軽いほど良いと思います。 また、装着する際ペンチでつぶして足に固定するのですが、ちょっとの力加減次第では足を圧迫してしまう事もあろうかと思います。空中生活者であるツバメの足はとても細く華奢なので、普通の鳥よりも細心の注意が必要です。作業を観察をしていたところ、とても痛がっているツバメも何羽かいました。 つぎの疑問です。今回の調査で鳥の扱いに疑問がありました。調査の現場で鳥を保持する際足を持っていましたが、あまり好ましい持ち方ではありません。鳥を飼ったことがある方ならご存じだと思います。ちゃんとした鳥の保持の方法が調査員に教えられているのか疑問です。調査の際一般の方も見ているのですから正しい方法で鳥を扱ってほしいと思います。 捕獲したツバメたちは袋に入れられるのですが、これは理にかなっているのでしょうか?あまりスペースがあると暴れて羽ばたいた際翼を痛めるため、わざと狭い袋に押し込めているのだと推測します。別な平和的方法はないのでしょうか。知り合いの獣医さんに聞いた話では、狭い袋の中で受けるストレスは小鳥の生命に関わる可能性があり、また霞網によって鳥がダメージを負う可能性は非常に高く出血でもしたら命の危険があり、さらに足環をつける際にも注意をしないと足にもダメージを与える事も十分考えられると言うことでした。ただし調査を前提とした場合は必要悪とするしかないとの意見でした。他に良い方法がないのなら、仕方がないのかもしれません。 次に、WEBを閲覧していて疑問に思ったこと。 調査が個人的な趣味で行われている書き込みが見られたことです。勿論それが事実かどうかは自分の目で見たわけではありませんので、断定は出来ません。しかし、そういう書き込みがあると言うことは、ある程度事実である可能性が高いと思われます。また、単なるイベントとして開催をしている団体もあるとのことです。学術的な調査とイベントとは自ずとその目的は違うはずです。鳥に与えるダメージを考えると、イベントのために罪もない鳥たちを霞み網で捕まえ、袋に入れて足輪をつけるのは、どう考えても納得できません。野鳥は出来るだけそっとしておくのが一番です。ちゃんとした講習を受けたとはいえ興味本位かつバンディングのみが目的の調査?が行われているのが事実なら、それは自然への冒涜であり、即刻中止をしてほしいものです。 最後で最大の疑問、足輪について。 調査員の話では、アルミ製足環に刻印された文字は一周すべて読まなくてはデータとして不完全であり素人には解読できないと言うことです。当局に報告するか、専門家が鳥を手にとって観察しなければ情報は得られないのです。通常の観察(フィールドスコープ、写真撮影)で普通の人に読み取ることが出来れば、もっと調査が生かされるはずです。思いつきですが、たとえば軽いプラスチック製で色を使い国名、場所、日にちの3つの情報を、再捕獲出来た時のために専門家のためのバーコードを印刷する事は出来ないのだろうか。一般のバーダーが参加できるようなシステムを構築していただければバンディングへの理解が深まるだろうし調査の効率も上がるような気がします。 最近のデジカメは性能が良く写真による判定も十分に可能です。鳥見をする人もとても多いのでアマチュアの方々の情報を活用すれば効率の良い調査が出来ると思いますが、いかがなものでしょうか? 管理人は何が何でも調査に反対ではありません。調査をする前に結果を出す方法論をきちんとするべきであり、バンディングのみが目的となっている調査には反対だといっているのです。まず、どのようにしたら効率的に調査を生かす事が出来るかを明確にしてから、調査に望むのが本筋というものでしょう。 この標識調査に関して写真家の和田剛一氏が取り組まれております。ご興味のある方・・野鳥に興味がある方は訪れてみて下さい。和田剛一 和田剛一 和田剛一 そして、このページを読んで頂いた方で標識調査に関心を持った方、直リンクで結構ですので是非お友達に紹介をして下さい。鳥たちの明るい未来のため、少しでも多くの方に標識調査に興味を持ってほしいと思います。 |
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